イタリア料理を代表するもので 〔イタリア・料理・家族〕

あるといわれるように、北はベネチアから南はシチリアまで各地方ごとの特徴をもつパスタ料理が何百もある。

古くはそれ自体たいへんな御馳走であったパスタ料理が、いまでは昼食や夕食のコースの一品にすぎなくなってしまった。

しかしそれは、パスタ料理の重要性が失われたということではない。

むしろその逆で、パスタ料理こそ家庭の主婦の腕の見せどころである。

とくに自分の住んでいる地方に伝わる料理法、各種ソースの作り方をマスターすることが主婦の条件の一つである。

イタリアでは肉や魚は焼くかソテーするかの簡単な料理が多く、味つけも塩、レモン汁、オリーブ油などを用いて自然の持ち味をたいせつにする。

ただし、パスタのソースは種類も豊富で、かつ地方色豊かなものが多い。

それは、イタリア文化が各都市を中心に発展した多中心の文化であることと密接なかかわりがあるし、パスタが古い昔からのイタリア人にとって基本的な食物であったことと関係がある。

甘く熟した良質のトマトのたくさんとれるカンパニア州では、トマトをベースにしたナポリ風ソースが発達した。

いわゆるナポリタンと日本でよばれているソースである。

肉類の集散地ボローニャではボロニェーゼソース、いわゆるミートソースが発達した。

バジリコの栽培に適したリグリア地方では、バジリコとマツの実を使ったペスト・ジェノベーゼが生まれ、シチリアでは島の特産であるイワシを使ったソースがつくられる。

ソースだけでなく、中に入る具にも地方色が出てくる。

海に面した地方ではアサリやムールガイやイカなどの海産物をよく使い、内陸ではキノコやニンジンなどの山の幸が使われている。
update:2010年02月15日